STスタイルのギターはシングルコイルならではの煌びやかなサウンドが魅力ですが、「リアピックアップだけもう少しパワーが欲しい」と感じるプレイヤーも少なくありません。
今回のEdwardsのSTタイプも、そんな一本でした。
オーナー様からは、リアピックアップをハムバッカーへ交換し、より幅広いジャンルで使えるギターにしたいという内容です。
ボディ加工を伴うカスタムになりますが、完成後はよりオールマイティーに使える一本へ生まれ変わりました。

HSS仕様はなぜ人気なのか?
Fenderが生み出した、エレキギターの革命とも言えるストラトキャスターは、シングルコイルサウンドが大きな魅力のひとつです。
一方で、リアポジションでは歪ませた際に少し細く、かつノイズが気になることもあります。
そのため、
- クリーンはシングルコイルらしい軽快な抜けの良いサウンド
- リアでは太くパワフルなハムバッカーサウンド
という両方を求めるプレイヤーから、HSS仕様は非常に人気があります。
ロックからポップス、フュージョン、メタルまで一本で対応しやすくなるため、実用性の高いカスタムの一つです。
ボディをハムバッカー仕様へ加工
今回はリアにハムバッカーを搭載するため、まずボディのザグリ加工を行いました。
加工後はHSS用ピックガードへ交換し、新しいピックアップが自然に収まるよう調整しています。
ボディ加工は元に戻すことが難しい作業だからこそ、位置や寸法を慎重に確認しながら進めました。




Seymour Duncan Nazgûlを搭載
今回リアへ搭載したのは、
Seymour Duncan Nazgûl 6-String
です。
Nazgûlは高出力ハムバッカーとして知られ、低音の迫力とタイトなレスポンス、高音域の抜けを兼ね備えたモデルです。
ダウンチューニングやハイゲインサウンドとの相性が良いことで人気がありますが、単にパワーがあるだけではありません。
コードを弾いた際の分離感も良く、単音でも輪郭がはっきりしているため、ジャンルを問わず使いやすいピックアップです。
今回は5Wayセレクターをそのまま活かし、コイルタップなどは追加せずシンプルな構成としました。
配線・組み込み・最終調整
ピックアップ交換後は新たに配線を行い、動作確認を実施しました。
また、ネックコンディションが非常に良好だったため、大きな修正を必要とすることもなく、セットアップもスムーズに完了しました。
弦高やオクターブを調整し、ストレスなく演奏できる状態へ仕上げています。

らしさを残したまま、より万能な一本へ
実際に試奏して感じたのは、とてもバランスの良い仕上がりになったということです。
フロントとセンターでは従来のクリアなサウンドを楽しめます。
そしてリアへ切り替えると、Nazgûlならではの力強さが加わり、歪ませた際の存在感が大きく向上しました。
「シングルピックアップの良さは残したい。でもリアだけもっと太い音が欲しい。」
そんな要望にしっかり応えてくれる仕様になり、ロックからメタルまで幅広く対応できる、非常にオールマイティーなギターへ生まれ変わった印象です。
これからも長く活躍してくれる一本になったと思います。
LuthiLab Memo
- ブランド:Edwards
- モデル / 年代:STタイプ / 年式不明
- 修理依頼内容:リアピックアップをハムバッカーへ変更
- 主な作業内容:ボディザグリ加工、HSS用ピックガード交換、Seymour Duncan Nazgûl 6-String搭載、配線、全体セットアップ
- 今回のポイント:ストラトらしいシングルコイルサウンドを活かしながら、リアに高出力ハムバッカーを搭載。ネックコンディションも非常に良好で、より幅広いジャンルに対応できるオールマイティーな一本へ仕上がりました。
