国産ギターというと、Fender JapanやYamaha、Tokaiなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、その陰には知る人ぞ知る名機が数多く存在します。
今回ご紹介するのは、その中でも評価の高いOrnetts(オーネッツ) GM8T。
販売前のメンテナンスとして、「次のオーナーが気持ちよく演奏できる状態にしてほしい」とご依頼をいただき、全体調整を行いました。
Ornetts(オーネッツ)とは?
Ornettsは1990年代から2000年代頃に製造されていた国産ギターブランドです。
現在では流通量が少なく、店頭で見かける機会も多くありませんが、その高い完成度から中古市場では根強い人気があります。
特に木材の選定や加工精度、ネックの仕上げなどが高く評価されており、「知る人ぞ知る国産ギター」として現在も愛用者が多いブランドです。
朝日木工が手掛けた高品質な国産ギター
Ornettsは、朝日木工が製造していたブランドとして知られています。
朝日木工は、高い木工技術を持つ国内工場として知られ、有名なモデルではバレイアーツジャパンなど、国内外ブランドのOEM製造にも携わっていたと紹介されることがあります。
そのため、Ornettsにも日本製らしい丁寧な作り込みが随所に見られます。
特にネックの握りやフレット処理、ボディの加工精度は現在でも十分通用するクオリティで、「価格以上の完成度」と評価するプレイヤーも少なくありません。
美しいキルトメイプルトップ
今回お預かりしたGM8Tは、美しいキルトメイプルトップが目を引く一本です。
深みのあるレッドカラーと立体感のある杢目は、見る角度によってさまざまな表情を見せてくれます。
全体的にPRSを思わせるデザインですが、ブリッジなどのパーツにもこだわりが感じられる、日本製らしい丁寧な仕上げも魅力の一つです。
長年大切に扱われてきたことが伝わるコンディションでした。


次のオーナーが気持ちよく弾けるように全体調整
今回のご依頼は修理ではなく、販売前の全体調整です。
新しいオーナーのもとへ渡った瞬間から快適に演奏できるよう、各部を点検・調整しました。
今回実施した作業は、
- ネック調整
- 弦交換/弦高調整
- オクターブ調整
- トレモロバランス調整
- 指板、フレットクリーニング
- ボディクリーニング
- 電装チェック
など、演奏性に関わる部分を一通り確認・調整しています。
派手な修理ではありませんが、このような基本調整こそ、ギター本来の弾きやすさを引き出す重要なメンテナンスです。
国産ギターならではの完成度を改めて実感
調整を進めながら感じたのは、やはり基本設計の良さでした。
ネックのしっかりとした安定感や各部の作り込みは非常に丁寧で、長年使用されてきた現在でもしっかりとした品質を保っています。
大きな修理を必要とする箇所もなく、適切なセットアップを行うことで、本来の演奏性を十分に発揮できる状態になりました。
中古市場ではまだ知名度が高いブランドとは言えませんが、実際に手にすると評価が高い理由がよく分かる一本です。
これからも長く弾いてもらうために
販売前のメンテナンスは、見た目をきれいにするだけではありません。
次のオーナーが安心して演奏を始められる状態へ整えることも、大切な役割だと考えています。
今回のOrnetts GM8Tも、基本調整を行うことで本来の弾きやすさを取り戻し、次のオーナーへ安心して引き継げる一本となりました。
これからも大切に演奏され、多くの音楽を奏でてくれることを願っています。
LuthiLab Memo
- ブランド:Ornetts
- モデル / 年代:GM8T / 年式不明
- 修理依頼内容:販売前の全体調整
- 主な作業内容:ネック調整、弦高調整、オクターブ調整、トレモロ調整、フレット・指板・ボディクリーニング、電装チェック、各部点検
- 今回のポイント:次のオーナーが気持ちよく演奏を始められるよう、演奏性を重視したトータルメンテナンスを実施しました。

