エレキギター、ベースは木材や構造だけでなく、ピックアップによってサウンドの印象が大きく変わります。
今回お預かりしたのは、Sterling by Music Man Ray34。
オーナー様からのご依頼は、
「ピックアップのアップグレードをしたい。」
というものでした。
長く付き合っていきたい大切な一本だからこそ、自分好みのサウンドへ育てていきたいという思いが伝わってくるご依頼でした。
Sterling by Music Man Ray34とは
Sterling by Music Manは、本家Music Man StingRayの設計思想を受け継ぎながら、より手に取りやすい価格帯で展開されているシリーズですね。
「廉価版」と紹介されることもありますが、実際に手にすると、その印象は大きく変わります。
今回の個体も、重量感のあるアッシュボディが採用されており、生鳴りは非常に豊か。
ネックの剛性感もしっかりしており、価格だけでは語れない完成度の高さを感じました。
本家StingRayと比較されることの多いモデルですが、一つのベースとして十分な実力を持っている印象です。
オーナー様のこだわりが詰まった一本
このRay34には、オーナー様ご自身で製作されたフィンガーランプが取り付けられていました。
既製品ではなく、自分の演奏スタイルに合わせて製作したオリジナルパーツ。
それだけでも、このベースを大切にされていることが伝わってきます。
今回は、そのこだわりの一本をさらに理想へ近づけるため、ピックアップ交換を行いました。
Seymour Duncan SMB-4Dへ交換
交換したのは、
Seymour Duncan SMB-4D
Music Manタイプのベースのリプレイスメント用として高い人気を誇るピックアップです。
低音の厚みをしっかり残しながら、中高域の輪郭や音抜けを向上させることができるモデルとして、多くのベーシストから支持されています。
今回はプリアンプはそのまま活かし、ピックアップのみを交換。
交換後は全体のセットアップも行い、バランスを整えました。

低音はそのまま、抜けが良くなった
交換前から、このRay34は十分に良いサウンドを持っていました。
重量感のあるアッシュボディらしい太い低音と、Music Manらしい力強いアタック。
しかしSMB-4Dへ交換したことで、そのキャラクターを残したまま、一音一音の輪郭がより明確になりました。
低音が痩せることはなく、音の抜けだけが一段階良くなった印象です。
スラップでもフィンガーでも反応が速くなり、バンドアンサンブルの中でも存在感を発揮できるサウンドへ仕上がりました。
オーナー様も驚いた変化
オーナー様にも、
「音が良くなってびっくりしました。」
と、とても喜んでいただけました。
ピックアップ交換は見た目の変化こそ少ないカスタムですが、演奏した瞬間に違いを感じられることがあります。
今回も、その効果をしっかり体感していただくことができました。
価格では測れない完成度
今回改めて感じたのは、Ray34そのものの完成度の高さです。
「廉価版」という言葉だけでは片付けられない、しっかりとした木材、作り込み、そして演奏性、その土台がしっかりしているからこそ、ピックアップ交換による変化も素直に現れます。
本家Music Manを目指して作られたモデルでありながら、一つのベースとして十分な魅力を持っていることを改めて実感しました。
オーナー様のこだわりと、ベースが持つポテンシャル。
その両方をさらに引き出すことができた、とても印象に残るカスタムとなりました。
LuthiLab Memo
- ブランド:Sterling by Music Man
- モデル / 年代:Ray34(現行モデル)
- 修理依頼内容:音抜け向上のためのピックアップ交換
- 主な作業内容:Seymour Duncan SMB-4Dへ交換、全体セットアップ
- 今回のポイント:オリジナルの配線・プリアンプは活かしたまま、SMB-4Dへ交換。Music Manらしい重厚な低音を残しながら、一音一音の輪郭と音抜けを向上させました。オーナー様自作のフィンガーランプが装着された、こだわりの一本にふさわしいアップグレードとなりました。

