Gibson Flying Vは、1958年に登場したギブソンを代表するギターの一つです。

当時はあまり市場に受け入れられず短期間で生産終了となりましたが、その独創的なデザインは後に多くのギタリストから再評価され、1960年代後半から1970年代にかけて復活を遂げます。

今回ご紹介するのは、その復活後のモデルとして知られるFlying V - Second Reissue

現在でもヴィンテージギターとして高い人気を誇り、ロックやハードロックシーンを語るうえで欠かせない存在となっています。


「Second Reissue」と呼ばれる1970年代のFlying V

Flying Vは1958年に誕生しましたが、当時は販売本数が少なく、短期間で生産終了となりました。

その後、1966年に再び生産が始まり、1971年には仕様変更を加えながら継続して製造されます。

この時代のモデルは一般的に1971年以降の再々生産、「Second Reissue(セカンドリイシュー)」と呼ばれることがあり、多くのプレイヤーに親しまれています。

1958年のオリジナルとはボディやピックアップのマウントスタイルなど仕様の違いがありますが、Vシェイプならではの存在感と演奏性はそのまま受け継がれています。


70年代Flying Vならではの魅力

1970年代のFlying Vは、当時のロックシーンに合わせた力強いサウンドが特徴で、マホガニーボディとセットネック構造による豊かなサステインに加え、2基のハムバッカーが生み出す太く伸びやかなサウンドは、ハードロックやブルースロックとの相性も抜群です。

また、この時代のFlying Vは、50年代に比べ、先端が短めのヘッドストックなど、70年代らしい雰囲気を持つモデルとしても知られています。

現在ではヴィンテージ市場でも人気が高く、当時ならではの仕様や個体差を楽しめることも魅力の一つです。


リフレットで演奏性をリフレッシュ

今回のご依頼はリフレットです。

長年弾き込まれたギターはフレットが摩耗し、音詰まりやピッチの不安定さ、チョーキング時の引っ掛かりなどが発生しやすくなります。

ヴィンテージギターだからこそ、演奏性を維持するためのリフレットは非常に重要なメンテナンスの一つです。


ミディアムジャンボフレットを採用

新しいフレットには、オーナー様と話し、幅が広く高さもしっかりあるミディアムジャンボフレットを選択しました。

十分な高さがあることで押弦しやすくなり、チョーキングやビブラートもスムーズに行えます。

また、将来的なすり合わせにも余裕が生まれるため、長く演奏を楽しみたい方にも人気の高いサイズです。

ヴィンテージらしい雰囲気を残しながら、現代の演奏スタイルにも対応できるバランスの良い仕様となりました。


フレット交換で粒立ちの良いサウンドへ

リフレット後は演奏性が向上しただけでなく、音の立ち上がりも非常にクリアになりました。

一音一音の輪郭がはっきりし、コードでも単音でも粒立ちの良さを感じられる仕上がりです。

Flying Vらしい太く伸びるサウンドはそのままに、より気持ちよく演奏できる一本へと生まれ変わりました。


時代を超えて愛されるFlying V

Flying Vは登場から半世紀以上が経った現在でも、多くのギタリストを魅了し続けています。

大胆なデザインばかりが注目されがちですが、実際には非常に弾きやすく、豊かなサステインと力強いサウンドを兼ね備えた完成度の高いギターです。

適切なメンテナンスを行うことで、その魅力はこれから先も長く受け継がれていくことでしょう。


LuthiLab Memo

  • ブランド:Gibson
  • モデル / 年代:Flying V / 1970年代前半
  • 修理依頼内容:リフレット
  • 主な作業内容:ミディアムジャンボフレットへ交換、すり合わせ、セットアップ
  • 今回のポイント:演奏性を大きく向上させながら、Flying Vらしい太く伸びるサウンドはそのままに、一音一音の粒立ちがより明瞭な仕上がりとなりました。