ギターを長く弾いていると、「リフレット」という言葉を耳にすることがあります。
「フレット交換って本当に必要なの?」「すり合わせではダメなの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実際に私のところへご相談いただく方も、「音が詰まるようになった」「ビビるようになった」という症状がきっかけで来られることがほとんどです。
今回は、リフレットとはどのような修理なのか、どんな症状で必要になるのか、そしてよく比較される「すり合わせ」との違いについてご紹介します。
リフレットとは?
リフレットとは、摩耗したフレットをすべて取り外し、新しいフレットへ交換する比較的大掛かりな修理のことで、費用もそれなりにかかります。
フレットは弦が直接触れる部分なので、長年演奏していると少しずつ摩耗していきます。
特によく押さえるポジションは減りやすく、深く削れてしまうと、ビビってしまったり音詰まりが発生して、演奏にも影響が出てきます。
見た目では少し減っている程度に見えても、実際に演奏すると違和感があることも少なくありません。
リフレットが必要になる症状
「最近なんだか弾きづらい」
「同じところだけ音がきれいに鳴らない」
そんな違和感を感じて楽器をお持ちいただくことが多く、実際に確認すると、フレットの摩耗が原因になっているケースがよくあります。
また、原因がフレットだけではなく、指板そのものが波打ってしまっていることもあります。
その場合は、フレットを交換するだけではなく、指板を修正してから新しいフレットを打つ必要があります。
すり合わせとの違い
リフレットとよく比較されるのが「すり合わせ」です。
すり合わせは、今付いているフレットを削って高さを揃え、もう一度形を整える作業です。
フレットがまだ十分残っていれば、この方法で演奏性が改善することも多くありますし、リフレットに比べれば費用もかかりません。
一方で、摩耗が進みすぎている場合は、削る高さそのものが足りなくなってしまいます。
その場合は、すり合わせでは改善できず、リフレットが必要になります。
あくまで私の判断基準
「リフレットをお願いします。」
そう言ってご相談いただいても、実際にはすり合わせだけで十分な場合もあります。
私は、フレットの減り具合や全体の状態を確認し、まずはすり合わせで対応できるかを考えます。
目安としては、一番減っている部分が元々のフレットの高さと比べて約70%以上、かつ約0.7mm以上の余裕が残っているようであれば、すり合わせで改善できる可能性があります。
逆に、それ以上摩耗していたり、指板の状態も修正が必要だったりする場合は、リフレットをご提案しています。
楽器の状態によって最適な方法は異なるため、必要以上の修理をご提案することはありません。
リフレットをすると何が変わる?
リフレットを行うと、
- 音詰まりやビビりの改善
- チョーキングのしやすさ
- ピッチの安定
- 演奏性の向上
など、多くの変化を感じられることがあります。
「新品みたいに弾きやすくなった」
そんな感想をいただくことも少なくありません。
フレットは消耗品ですが、ギター本来の演奏性を取り戻すための大切な修理でもあります。
実際のリフレット修理例
これまでにも、さまざまなギターのリフレットを行ってきました。
どのギターも、それぞれ色々な理由でリフレットが必要になりました。
修理内容はそれぞれの記事でご紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
まとめ
リフレットは、単純にフレットを新しくするだけの修理ではありません。
フレットの摩耗具合や指板の状態を確認し、そのギターにとって最適な方法を選ぶことが大切です。
「リフレットが必要なのか、それともすり合わせで十分なのか。」
これは実際に楽器を確認してみないと判断できないことも多くあります。
演奏中に音詰まりやビビりが気になり始めたら、一度状態を確認してみることをおすすめします。
